線形分布荷重真直はり

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 材料力学で、真直はりに荷重が与えられた場合のたわみ計算式は、一般的に集中荷重、等分布荷重などの場合分けで説明されることが多いでしょう。
 このような、複数種の荷重形体を一つの汎用モデルで表現できれば、色々な種類の荷重に対応可能となります。
 ここでは、右の図のように、荷重分布を台形形状としたものを基準として、様々なタイプの分布荷重を表現する、線形分布荷重真直はりの計算モデルを解説しています。

 片持ちはり、両端支持はり、両端固定はり、固定支持はりの各々について計算式を紹介していますが、係数を置換して整理すると、いずれも共通点のある表現形式となっていることがわかります。

 なおこの資料では、次のルールに基づいて式を導出しています。
⑴ X軸の原点ははりの左端 (片持ちはりの場合、壁(固定端)は左側)
⑵ 荷重(P)は下向き、反力(R)は上向きを正
⑶ たわみ(y)は下方向、たわみ角(θ)は右回り(時計回り)を正
⑷ 着目点(上図の緑色の点)における力とモーメントのつり合いについて
  せん断力(Q)は着目点に対して右回り(↑↓ 時計回り)を正
  モーメント(M)は着目点を下方に押し下げる方向(はりが下に凸になる方向)を正

※特に⑴は、片持ちはりでは自由端(上図右端)をX軸原点にとる方法が一般的ですが、この資料では式導出に一貫性を持たせるため、この定義を採用しています。

 

<参考書籍>
笹谷卓史(2020)  “材料力学 はりの曲げ” Greenwich Meridian
金多 潔他(1973), “弾性論(第3版)”, コロナ社

<参考URL>
梁のたわみと応力計算ツール-ものづくりウェブ  (検算に利用)
一端固定他端支持はりのたわみ計算-WEB2CAD (検算に利用)
単径間・はり公式集 等分布荷重-森設計企画 (検算に利用)
公式集-構造計算 梁-設計ハンドブック

単純支持はり・片持ちはりのたわみ計算-Masassiah Web Site
梁の図面と計算式(pdfファイル)-オメガエンジニアリング

 


 

 

 


線形分布荷重真直はりExcel

 このExcelでは、分布荷重を受ける真直はりのたわみ、たわみ角、曲げモーメント(BMD)、せん断力(SFD)について、グラフ表示します。
 はりは、片持ち、両端支持、両端固定、固定支持の4種類で、曲げモーメントとたわみについては、その最大値をはりの自重の有無別に計算します。
 最大たわみは、3次あるいは4次方程式の解の計算が必要となるため、マクロ内で近似計算(ニュートン・ラフソン法)を行って算出しています。

 なお、結果表示セルに#VALUE!と表示される場合は、F9キー(再計算)を押すか、一旦別シートに移ってから戻ってみて下さい。
 (VBAのソースにはロックをかけていますが、中身を確認したい方はご連絡いただければ個別対応も可能です)

 

 


 

2024.12.2 更新 (revC→revC1)