よくある質問を掲載

【幾何公差編】(印はミニ講座ー幾何公差編の中で紹介しているものです)
Q 幾何公差を使うとコストが上がる、と言われたのですが。
A 幾何公差は一つには部品の形状定義の曖昧さを無くす目的で使いますが、多用し過ぎるとそれだけ加工や検査コストが上がる可能性はあります。
そのため設計上重要な箇所に対して用いるようにした方がよいでしょう。
また、最大実体公差方式(MMR)を適用すると検査コストそのものを減らすことも可能です。
Q 幾何公差を入れても加工メーカー側がそれを理解できないのではないですか?
A 以前はそのような事例もありましたが、最近は幾何公差図面の出図率が上がりそれに応じて多くのメーカーが理解できるようになってきています。
資材、調達部門の協力による非対応メーカーさんへの啓もう活動も効果があります。
(なお当方ではそのようなメーカー指導も承ります)
Q 幾何公差で指示した図面の検図をしてもらいましたが、上司から「意味が分からないから元の書き方に戻してくれ」と言われました。
A 上司も忙しくて今更幾何公差の勉強をして下さいとは言いにくいかもしれません。
特に位置度や輪郭度などは記号を見てもピンと来ないかもしれません。
苦肉の策ではありますが、まずは平行度や直角度など誰が見ても意味がわかるような記号を盛り込んでみる方法はあるかと思います。それらの記号に円筒公差域Φを指示する使い方だけでも形体定義はかなり明確になってきます。
Q TED(理論的に正確な寸法、理論寸法)を使ったらメーカーさんから意味を聞かれたので「誤差のない寸法です」と答えたら「そんな加工はできません」と言われました。
A TEDは基本的に単独で使われるものではなく(←例外はあります)、位置度や輪郭度など一部の幾何偏差記号と組み合わせて使われます。
TED自体は確かに誤差を含まない値ですが、その誤差(ばらつき)範囲を例えば位置度の公差域により指定していると考えます。これは結局従来の寸法表記における図示サイズとサイズ公差の関係と同じです。
Q 3次元測定機がないと幾何公差の測定は難しいのですか?
A 3次元測定機(CMM)を使えば殆どの幾何公差の測定は可能ですが、従来からある汎用の測定機器でも検査は可能です。
むしろこのような汎用機器類で測定した方が効率が良いケースは多々あります。
ただ輪郭度で指示した形状(デザイン意匠面など)の測定はCMMやデジタイザ(非接触CMM)を利用した方がいいでしょう。
Q 幾何公差を入れると図面がにぎやかになります。もっとすっきりさせた書き方はできませんか?
A 幾何公差指示図面はデータムや幾何公差記入枠が大量に書き込まれるケースもあるため、一見して図面が複雑怪奇なものに捉えられがちですが、以下の点に注意するといいです。
・設計上重要な箇所だけに絞って幾何公差指示を入れる。
・適切に投影図(View)を追加して記述を分散させる。(一つの投影図に何でもかんでも押し込むのは製図作法としてもスマートではありません)
・場合によっては普通幾何公差の導入も検討する。
Q 中心軸が平行な2つの穴への共通データム指示と形体グループのデータム指示の使い分け
A
穴の軸直線が平行な場合の共通データム指定と形体グループのデータム指定で本質的には意味は同じです。
違いは、共通データムの場合2つの穴径が異なる(形体が異なる)場合でも成り立つのに対し、形体グループは2つの穴径が同じ(同一形体である)場合に限るという点です。
加えて、共通データムは2つの穴(形体)しか対象にしませんが、形体グループのデータムは2つ以上の穴(形体)に対しても定義できます。
従って両者の使い分けは、
 ・形体が異なるかどうか
 ・対象が3つ以上か否か
で選択すればよいと考えます。