ギアの計算

歯車設計の技術資料としては小原歯車工業㈱歯車技術資料が秀逸です。
ここではその資料を参考に歯車関連の理論計算式についていくつかまとめてみました。

 

<ギア歯形創成曲線の式>

基礎円から歯末(歯先)方向はよく知られたインボリュート曲線ですが、歯元方向はトロコイド(エピトロコイド)曲線になります。
歯数の少ない(17歯以下)場合はラック工具の先端により歯形の一部が削り取られる、いわゆる「切り下げ(under cut)」という現象が生じますが、これは基礎円より外側のインボリュート曲線がトロコイド曲線により切り取られる状況に相当します。


この資料では高野政晴氏がHP上で公開している計算式等も参考に、ラック工具先端のRも考慮した歯形生成の式を説明しています。

 


<逆インボリュート関数の近似式>


インボリュート関数(invα)は右図の角度αを用いて次式で求められます。

invα = tan(α) – α

逆インボリュート関数は invα の値から α を求めるものですが、これにはいわゆる解析解がありません。
一般的にはニュートン・ラフソン法や二分法による近似計算が知られていますが、多項式による近似式も公開されています。
なお逆インボリュート関数の値は、転位歯車のかみ合い圧力角を求めるために必要となります。(最終的には転位歯車対の中心距離計算に使われます)


<インボリュート曲線創成アニメーション>

ラック工具による歯形創成のうち、歯末(歯先)側のインボリュート曲線創成のアニメーションです。
Pc(赤丸)が創成点で、この点によりインボリュート曲線(緑色)が創成されていきます。
Excelで作成してあります。


<トロコイド曲線創成アニメーション>

ラック工具による歯形創成のうち、歯元側のトロコイド曲線創成のアニメーションです。
Pc(赤丸)が創成点で、この点によりトロコイド曲線(緑色)が創成されていきます。
Excelで作成してあります。


<ギア歯形創成のアニメーション>

転位係数を変化させると歯形形状がどのように変化するかをアニメーション表示したものです。
Excelで作成してあります。


<ギアのかみ合いのアニメーション>

転位平歯車同士のかみ合いの変化の様子を示したアニメーションです。
歯車の接触点(作用点:赤丸)が作用線(緑色)に沿って移動していく様子がわかります。
Excelで作成してあります。