べき乗の逆数の和

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 自然数(正の整数)のべき乗の逆数を、数を1つずつ増やして加算する、という計算を極限まで続けると、解がある値に収束するのですが、その一般解(指数を任意の実数に拡張したもの)としてゼータ関数があります。

 このような計算は、通常の技術計算の中で登場することはあまりありませんが、分母のべき乗の底が奇数の場合の収束値は、別掲の矩形断面はりのねじりのねじり係数計算に使われるため、導出の過程を理解しておくのもよいでしょう。

 ここでは右上の式に示す、奇数を底とし、指数が2と4の場合のべき乗の逆数の和の値を、計算手順を少し工夫することで求める方法について、解説しています。

 右下図はこれらが収束していく様子のグラフですが、底と指数の特定の組み合せの場合に、解がπの累乗を含んだ非常に簡単な形式で表されることがわかります。

 なお、指数が偶数の場合はcos関数、奇数の場合はsin関数のマクローリン展開を用います。

 後半に、奇数の交代級数のゼータ関数(拡張されたゼータ関数)に関する式をまとめてあります。
 この中で、奇数の5乗の交代級数は平板のたわみの計算式に現れるものです。

 

<参考URL>

https://www.youtube.com/watch?v=D5Sfqk1bEsg (奇数の2乗の逆数の和)
https://www.youtube.com/watch?v=fZIAzYpaZJU (奇数の4乗の逆数の和)
自然数の累乗の逆数の和-高校数学の基本問題
(級数和の確認用)
Sin級数にテイラーシステムを適用する (奇数の交代級数のゼータ関数)
πとの関連性 (交代級数の考察)
解析接続したゼータ関数, ζ(0), ζ(-1), ζ(-2)の値 (拡張したゼータ関数の定義式)
Particular values of the Riemann zeta function (ゼータ関数の特殊値)
Riemann のゼータ関数 (ゼータ関数の基本理論とグラフ例)