断面特性(形鋼)

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 断面特性(Section properties)は、材料力学での重要指標です。
 代表的なものに、断面2次モーメントや断面係数があります。

 ここでは、JIS規格の形鋼断面について、その断面特性を求める手順について解説しています。
 多くの断面は、I型やCT型に集約して考えることができますが、断面特性の計算には、重ね合わせの原理と平行軸の定理を活用することになります。
 ただし、山型断面のように、xy軸に関して非対称な断面の場合は、慣性主軸(principal axes of inertia)や断面相乗モーメント(product of inertia)というものも考慮する必要が出てきますので、それに関する式についても簡単に解説しています。

 また、代表的な形鋼断面について、断面特性を計算するExcelシートを添付しています。

 

 


 余談ですが、本記事では、断面のカタチには”型”、そのカタチをもった鋼材には”形”というように、漢字を使い分けています。
 例えば、角「型」断面を持った鋼管は、角「形」鋼管となります。
 また、断面が閉じていれば「鋼管」、開いていれば「形鋼」です。

 

<参考記事>
断面特性(台形、弓形)
断面特性(基本断面)

<参考書籍>
・伊藤勝悦(2014), “やさしく学べる材料力学(第3版)”, 森北出版

<参考規格>
・JIS G3466:2025 一般構造用角形鋼管
・JIS G3192:2024 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差

<参考URL>
構造力学 (第5章 部材断面の諸性質)
強度計算・実践への一歩 (非対称曲げでの断面係数) 

 


 

 

形鋼断面特性計算Excel

 JISで規定されている形鋼断面の一部について、断面特性を計算するExcelシートです。
 別途紹介している、台形や弓形断面の断面特性の計算方法を用いて、コーナーRやテーパの影響も考慮して計算していますので、特性値はJISの表と合致しています。
 なお、テーパやRの有無を切り替えて計算することも可能です。
 また、設定したモーメントやトルクに対応した、曲げ応力やねじれ角も出力します。

 山型断面について、角Rを考慮した断面相乗モーメントの計算を追加しました(revB以降)。

★注意
 溝型断面の断面係数Zyの算出の不具合を修正しました(revA3以降)。
 角型断面の角Rの設定の不具合を修正しました(revA4以降)。

 断面タイプ(D5セル)を選択して、形鋼サイズのリスト(M列)の番号を断面No.(D6セル)に入力することで、該当する断面での計算結果が表示されます。
 リストNo.の99番は、ユーザが任意に値を設定するために用意されています。

 

 【断面の種類】
  角型、山型(等辺/不等辺/不等厚)、I型(H型)、溝型、CT型 (下図を参照)

 

 

 

 


2025/4/28 更新 (revA4→revB)

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