ねじの強度計算

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 ねじの強度区分と、強度計算に必要な有効断面積の算出手順の解説です。

 有効断面の円は、ねじの基準山形のとがり山三角形(高さH)の重心位置(三角形の頂点から 2H/3 内側の位置)を通ります。
 

 なお、ここでの手順は、あくまでもねじのサイズが予め決まっている場合の計算方法であり、実務上は、機器や構造物の設計仕様に基づいて(適切な安全率を見込んだうえで)ボルトにかかる軸力を見積り、強度区分に対応した引張強さを用いて断面積を求めたのちに、ボルト径を決定する、という流れになります。

 記事後半では、機械設計技術者試験の問題を参考にして、ボルト径決定までの手順例を紹介しています。

 

<参考規格>
・JIS B1051:2014 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質-強度区分を規定したボルト,小ねじ及び植込みボルト-並目ねじ及び細目ねじ
・JIS B1082:2009 ねじの有効断面積及び座面の負荷面積
・JIS B0205-1:2001 一般用メートルねじ-第1部:基準山形
・JIS B1180:2014 六角ボルト