摩擦クラッチ

161

 

 摩擦クラッチの伝達トルクに関する記事です。

 クラッチ面の圧力分布または摩耗量が一定と仮定した場合の、伝達トルクと有効径の算出式を紹介しています。

 なお記事中の、摩耗量が一定の条件として、PV値(圧力×すべり速度)が一定と仮定しています。
 半径 r、回転速度 ω とすると、V = rω となり、
  PV = Prω = 一定
から、Pr = 一定 となります。

 

 記事中の図Bに、内外径比と有効径の関係を示しています。
 これによると、圧力分布一定を仮定した場合と摩耗量一定を仮定した場合とでは、内外径比が小さくなる(内径と外径が近づく)ほど両者の差が縮まること、また、後者の方が有効径が小さく計算される、つまり、伝達トルクが小さいという結果となることに注意します。
 設計的には(一般的な見方として)、後者の有効径(内径と外径の平均値)を採用する方が安全側になります。

 なお、この有効径は、ねじ締結問題における座面摩擦直径に相当します。

 

<参考記事>
ねじ締付けトルク

<参考資料>
メカトロニクス設計工学1講義ノート 第11回 (クラッチ)