カムの圧力角

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 カムの設計では、カムの最大圧力角が直動型のフォロアで約30°以下、揺動型で約45°以下となることを目安に設計することとなっています。

 この圧力角は、右図に示すように、カムとフォロアローラの接点における、カム面の法線ベクトルとフォロアの回転ベクトルのなす角で与えられます(なお同図は、揺動型フォロアでローラが回転しない場合の、圧力角の定義となります)。
 圧力角は、カム曲線が停留区間や等速度区間のような、直線あるいは円弧であれば、比較的容易に求められるものの、それら以外の曲線区間の場合は、幾何学的に求めることは困難です。

 ここでは、接点を含むカム面を局部的に円に近似して接点座標を求め、それから圧力角を算出する方法を紹介します。

 実際の圧力角計算では、カムの凹凸やフォロア形式により計算手順を切り替える必要がありますが、全体的な流れはここで紹介しているものとなります。

 別掲の、ユニバーサルカム曲線のExcelシートでは、ここでの計算フローに基づいて、圧力角の曲線を算出しています。

 

 

 


 


カムの回転アニメーション

 カムとフォロアローラ(従節)の接点(赤色の点)における曲率円(赤色二点鎖線の円)を計算しながら、カムを1回転させています。
 カム面の凹凸によって、曲率円のオフセット方向を切り替えている様子がわかるようにしてあります。
 回転ベクトル(黒矢印)と法線ベクトル(オレンジ矢印)のなす角が、圧力角となります。
 なお圧力角は、ローラが回転する場合の結果です。

 グラフ中の記号の説明
  S:変位
  V:速度
  A:加速度
  J:ジャーク(躍動)
  P:圧力角

 Excelで作成してあります。

(1) 変形正弦曲線カムの例


(2) 切削送りカムの例