2次曲線の一般式

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 2次曲線の一般式の解説です。

 2次曲線には楕円(ellipse)、双曲線(hyperbola)、放物線(parabola)がありますが、この記事では、これらの形を決めるための係数と、位置や傾きおよび接点を求める式の導出手順について説明しています (連立方程式を解く際は、Excelの行列関数を使えば簡単にできます)。

 2次曲線の一般式は、
  Ax2 + Bxy + Cy2 + Dx + Ey + F = 0
で表されます。
 係数が既知の場合は、係数の値(正/負、ゼロ/非ゼロ)により様々な2次曲線が得られます。

 一方、係数が未知で、点の座標から2次曲線を求めるには、係数に関する方程式を立てる必要があります。
 この場合は、2次曲線の一般式を、
  Ax2 + Bxy + Cy2 + Dx + Ey = 1
の形に変形し、5つの
未知係数に関する5元連立方程式を解くことになりますが、結果として、座標値の条件を満たす5つの点(ただし、3点以上が同一直線上にないこと)の座標から2次曲線を作ることができます(記事後半で解説)。

 さて、右図上は一般形の楕円の例ですが、これを原点を中心とした標準形にするためには、
  (原点への)並進移動 → (原点回りの)回転移動
の2つのステップ(座標変換)を行います。
 逆に、標準形の2次曲線は、上記と逆のステップをふめば指定した位置と角度の曲線に変換できます。

 なお、2次曲線の一般式において、
  B = 0 → 回転角(交差項)ゼロ
  D = E = 0 → 並進移動量ゼロ
とすれば、標準形になります。

 記事の終わりでは、1/7楕円と呼ばれる興味深い現象(1/7=0.142857…の循環節の数列を座標とした楕円がただ1つ決まる)についても紹介しています。

 ちなみに、循環節が5桁あるいは6桁となる小数列では同様の現象があり、例えば1/7(楕円),1/13(双曲線),1/21(双曲線),1/39(楕円),1/41(双曲線),1/63(楕円),1/77(双曲線),1/91(楕円)となります。

 右図下は、1/13(=0.076923…)の場合の双曲線です。 

 

<参考URL>
One-Seventh Ellipse (Wolfram MathWorld)

 

 




2次曲線サンプルExcel

 本記事の手順を基に、2次曲線を描画するExcelのサンプルです。
 係数を指定する方法と座標(5点)を指定する方法の2つのシートがあります。

 各シート内に、代表的な数値データ表を用意しています。
 データNo.を指定して「データセット」ボタンを押すことで、曲線が表示されます。

 自学用や教育用途としてお役立てください。

 

 

 

2025.10.6 公開 (revA)

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