カテナリー曲線

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<カテナリー曲線>

 カテナリー曲線(Catenary)は、別名懸垂曲線とも呼ばれ、身近では電柱間に張られた電線の描く、たるんだ曲線が該当します。

 この曲線は、係留点のスパンより少し長く、線密度が一定のひも(ワイヤーなど)が、自重により重力方向にたわみ、ある位置で張力とつり合い、位置エネルギーが最小になっている状態を表します。
 ここでは、力のつり合いから曲線の方程式を立てて導く方法を紹介します。

 ところで、カテナリー曲線の理論式には、ヤング率が入っていません。
 これは、理論式ではワイヤーの伸びは考慮されておらず、力のつり合いのみでたるみを求めているためです。
 実際の電線などは、自重によりある程度伸びが生じるため、たるみ量は理論式より大きくなります(弾性カテナリー(Elastic catenary)と呼ばれます)。
 本記事では最後に、この弾性カテナリーの計算式の導出手順も解説しています。

 このカテナリー曲線のたるみ量(弛度)の近似式は、電験3種試験でも度々登場するため、受験する方は、結果の式は覚えておいた方がいいでしょう。

 

★この記事に関連した動画をYouTubeで公開しています。
 OPEOミニセミナー 「身近な曲線 カテナリー曲線」

 

<参考URL>
Mech D& A Technical Brief TB-009a – メカニカルデザイン (理論解と解析解の比較)
Catenary(Wikipedia) (弾性カテナリーを含む式)
Elastic catenary (弾性カテナリーの式)

 

 



 

 


 

<電線のたるみのシミュレーション>

 2本の電柱(橙色)の間隔(径間距離)に応じて、電線(青色)のたるみの状態がどのように変化するかを、アニメーション表現したものです(Excelで作成してあります)。
 なお、この曲線のたるみ量は重力の作用する環境、即ち自重の影響がある環境においてはゼロにはなりません。