データムターゲット

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 データムターゲット (datum target)とは、データムを設定するための、加工、測定および検査用の装置、器具などに接触させる対象物上の点、線または限定された領域のことです(JIS B0022)。

 データムとして設定した面は、実際には加工による凹凸やねじれ、曲がりなどがあり、完全な平面ではないため、単一の基準の面とすることは難しいものです。
 データムターゲットは、そのような場合にデータムを確立する方法を指示するために用いられます

 また、データムターゲットには可動データムターゲットというものも定義されています。
 これはまだJISでは規定されていませんが、測定治具による対象物(部品)の固定方向を指定できるため、その使用方法を理解しておいてもよいでしょう。

 なお、データムターゲット(可動を含む)の位置を指定する寸法は、全てTEDにすることに注意します。


(注) 可動データムターゲットに用いられる三角形状の記号は、ISOの原文では Moveable modifier で、これの正式な和訳はまだありません。
 本記事では、とりあえず「可動方向指示子」としていますが、他にも「可動記号」「可動修飾記号」とも呼ばれます。

 

 

<参考記事>

位置及び範囲指定へのTED指示

 

<参考規格>

・JIS B0022:1984
・ISO5459:2011
・ISO1101:2017