管理図係数計算

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品質管理の上でも重要な管理図係数はJIS(Z9020-2)に表形式で掲載されています。
PCレベルによる標準偏差計算が一般的となっている現在ではこの数表(シューハート管理図係数表:Shewhart Control Chart Constant)を用いる必然性はないとも言えますが、ここではあくまでも計算技術としての視点で解説していきます。(PCを誰もが容易に使えない時代(1930年代)に、管理図係数を数表形式で提示したことには敬意を表したいと思います)
この管理図の意味や使い方などは別途解説予定ですが、ここでは管理図係数の中でも累積分布関数の積分を含んだ算出難易度の高い2つの係数をExcel VBAを用いて計算する方法について概要を説明します。
係数の定義式自体は公開されていますが、これをプログラムで数値計算するためには本サイトで解説している近似計算手法を駆使する必要があります。
この係数計算をRやMaximaといった言語で実施した例はありますがVBAで実装した例があまりないため、参考になればと思います。

なおここで紹介した手法を用いたExcel計算シートも掲載しておきます。
(数式保護のためシートロックをかけていますがパスワードは設定していないので、興味のある方はロック解除して下さい)
また指定した管理図係数の値を返すExcel VBA用のコードも添付します。

参考ですが、本文で説明している関数f1とf2のグラフィカルなイメージは次のようなものです。(群の大きさ=5の場合)
どちらの関数も変数xやyが±6程度でほぼゼロに収束していることに着目して下さい。

 


<参考URL>
シューハート管理図係数の計算-生物科学研究所 (Rを使った数値計算方法の解説)
品質管理における管理図係数表の真値の計算方法 (http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81005345.pdf←リンク切れ) (Maximaを使った数値計算方法の解説)
管理図の管理限界値-シグマアイ (管理限界値の係数と3σの比較)
シューハート管理図係数の導出方法-QCプラネッツ (管理図係数の導出方法の解説)
精度管理の考え方-エイアンドティー (R管理図と確率密度関数の解説)

 


 


管理図係数計算Excel

 

群の大きさ毎に中心線の係数(c4,d2,d3)を計算し、それらを元に各管理図係数を算出します。

 

 

2022.8.18 更新 (revD1→revD2)

 


【管理図係数計算用VBAコード】
管理図係数を計算するExcel用の関数(VBA)です。
関数名:calc_CCC(N, 係数記号)
引数:
 N = 群の大きさ
 係数記号 = 管理図係数の記号(A2, D4など)文字列
Excelでの使用例
 任意のセルで、[ =calc_CCC(5,”A2″) ]と入力すると、群の大きさが5のA2の値(0.576819334472881)を返します。
 対応係数:c4,d2,d3,A,A2,A3,A4*,B3,B4,B5,B6,D1,D2,D3,D4,E2,E3
 *) A4に関しては現時点で導出式が不明のため、JIS表の値をそのまま返します。

 

2022.4.10 更新 (revA→revB)